蛙化現象の原因は自己肯定感ではない!?真の克服法をプロが解説

記事更新日: 2022/05/01

ライター: 川口 美樹

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川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ

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▼【相談内容】仮交際中の男性に抱く嫌悪感は「蛙化現象」が原因?

初めまして、さきと申します。

某婚活サービスを使い、数名と仮交際中のアラサーです。

婚活前は、告白されたことはあれども、得体の知れない違和感から付き合うまでには至らず、この年まで彼氏がいたことがありませんでした。

それが【蛙化現象】というものだと婚活を始めてから知り、婚活は恋をする必要はないのだと、一緒にいて居心地がいいかを判断基準にして前向きに活動するようにしました。

 

しかしあまりにも恋愛経験に乏しいため、とある男性と仮交際中に感じる違和感が

  • 【蛙化現象】によるものなのか
  • 俗にいう【女の勘】のような、埋めがたい両者の価値観の差によるものなのか
  • 私の度量の狭さによるものなのか

分かりかねています。

 

上記の違和感ですが、以下のように些細なものです。

  • コロナ感染者数が多い中、クリスマスに混雑が予想される場で長時間の面会を提案される
  • 翌日にお相手が今後の仕事に関わる大事な用事を控えており、クリスマスの面会は翌日に悪影響を及ぼす可能性がある。
    仕事に集中してほしいため、以前から当日会うときは短時間の面会時間でよいと私から提案していた。
  • 相手からの文章が連投や私を褒める文章が増える傾向になり、相手側に焦りのようなものを感じるようになった。

 

他の仮交際男性達と、この男性はほぼ同期間の仮交際期間で、会った回数もさほど変わりません。

なのにこの男性にだけ、文字のやり取りをしていて違和感を感じてしまうのは何故なのでしょうか。

「それぐらい目を瞑ればいいのに。相手に面会変更を求めたら応じてくれたのだから、いい人ではないか。私がしてるのは蛙化現象の粗探しに過ぎないのではないか」とは自分でも考えてます。

①、②のエピソードだけだったら時間を置いたらモチベーションが戻ったのかもしれません。

しかし立て続けに③も来て、ずっとお相手の文章から焦りのようなものを勝手に受け取ってしまい、彼との仮交際のモチベーション上げに難儀しています。

これは、蛙化現象なのでしょうか。それとも私の度量の問題なのでしょうか。

 

川口様の率直な意見を頂ければ幸いです。

よろしくお願いします。

川口

蛙化現象は、女性なら誰しも抱く感覚なので、あんまり気にしなくて大丈夫です。

蛙化現象とは、「片思いをしている分は問題ないのに、その人に向こうから好意を向けられると、なぜか気持ち悪く感じてしまう」現象のことを指します。

その原因として、ネット上では「こんな自分を好きになるなんて‥という気持ちからくる嫌悪感。自己肯定感が低いのが原因」と言われていますよね。

だから余計に大変な問題だと勘違いしてしまう人が多いのですが、実はあんまり大した問題ではありません

川口

まずは、「蛙化現象」の正しい認識から始めましょう。

蛙化現象は極めて「自然な」現象です

蛙化現象を正しく理解しよう

「蛙化現象」の語源は、藤澤伸介教授の発表された「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」という会議録(2004)が元になっています。

 「お姫様がキモがっていた蛙は、実は王子様でした」というグリム童話に由来しているのですが、現代女性は「王子様が蛙になってしまう」ので「蛙化現象」と名付けたそうです。

川口

その内容をざっくり要約するとこうなります。

▼「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」の要約
  • 蛙化現象の原因だと思われる仮説を7つ紹介し、生徒に賛否のアンケートを取った
  • 交際経験のある7割の女性が蛙化現象を体験していた
  • その7つの仮説の中で、得票数の多かったものが3つあった
  • あくまでもアンケートなので、科学的な正確さには欠けている

なぜ王子様が蛙になってしまうのか?

上記のアンケートで得票数の多かった3つは何かというと

  • 性的嫌悪説(なんかキモい…)
  • 虚像崩壊説(おもてたんと違う)
  • 接近速度説(距離近くね?)

が紹介されています。 

1は、性的な関係が現実味を帯びることへの防衛本能です。交際経験のない人の票が一番多かったのがこれでした。(※)

2は、「向こうからの告白や好意を簡単に得られてしまった」ことへの失望感のようなものからきています。

川口

告白されることによって、憧れの対象からただの男になってしまうようです。

中でも最も得票数の多かったのがこの「虚像崩壊説」でした。

3は、ただの「距離詰めるの早すぎ問題」ですね。これが二番目に多かったそうです。

※:1)は得票数こそそれになりにあったものの、性交経験が複数回ある人でも、対象によっては蛙化現象を体験しているため、説としては成立しないということになりました。

蛙化は相手と自分への期待値の逆転から生じる

ちなみに、立正大学の川名好裕教授の研究によると、

人は

  • 片思いをしている時は、相手に感じる魅力を高く、自分に感じる魅力は低く見積もり
  • 恋人になると、相手に感じる魅力を低く、自分に感じる魅力は高く見積もる

ことがわかっています。(参考記事はこちら

この相手への期待値の高さと、自分への期待値の低さが、片思い時と交際時(ないしは好意が判明したタイミング)で逆転してしまうため、そのギャップで嫌悪感を感じてしまう、というわけです。

川口

要は「自分含めて、人を見る目がない」人が蛙化現象を感じやすいってことですね(笑)

【要注意!】現象を正しく理解しないと判断を誤ります

蛙化現象が「大した問題ではない」理由

今回さきさんが感じているのは、おそらく『2のガッカリ感と3の「近くね?」問題の合わせ技』のようなもので、決して度量の狭さや価値観の相違からくるものではありません。

簡単にいうと

  • 「この時期に密なところ行く?この人のモラル大丈夫?」というガッカリ感
  • 「え、なんか、急に距離感縮めてきたやん」という気味の悪さ

が合わさって、「なんか嫌だなぁ」と感じているというわけです。

こういう感覚を7割以上の女性が体験しているのです。

川口

「大した問題ではない」と言ったのはこういう理由です。

自己肯定感が低いのが原因の人ももちろんいる

もちろん、

  • 女性としての魅力に自信がない
  • 素の自分を見せて幻滅されたくない

という気持ちから蛙化してしまう「自己肯定感が低いから説」も有力だと僕は思います。

ですが今回のさきさんの場合は、文章の雰囲気からは当てはまらなそうです。

 

正しい知識がないと、矮小な問題を重要視してしまう

今回、蛙化現象についての質問だったのでその話をしましたが、一般的な感覚からすると

「なんだこの人…ちょっと嫌だなぁ。ま、何回か会ってみてダメならやめておこう」くらいの感覚でスルーする感じの話です。

今回のように、【蛙化現象】そのものへの正しい理解がないと、謎の選択肢に悩まされ判断を間違いかねません。

思考の袋小路に入ったときには、今回のご相談のように、「詳しい人間にさっさと聞く」のが一番早い解決策です。

覚えておいてください。

婚活の秘訣:「無い」ものを嘆くより「ある」ものに感謝する

婚活に限らず人生全般的に言えることですが、

うまくいってないところに視点を合わせると、全部うまくいかなくなります。

うまくいっているところに視点を合わせると、比較的うまくいきやすくなります。

うまくいっていない男性に焦点を当てるよりも、仮交際されてる他の男性にフォーカスした方が婚活自体はうまくきやすいです。

川口

「無い」ものを嘆くよりも、「ある」ものへの感謝をしましょう。

それを続けていれば、仮に自己肯定感の低さが原因だったとしても、そこも改善されていきます。

 

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