川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ
恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演。
マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通。Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ)
男性が怖く、信用できないことに関する相談です。
現在20代前半の女性です。
男性が怖いと思い始めたのは中学校に入ってからです。
当時、中学校のいわゆる陽キャの男子(クラスの1/3くらいでした)は
していました。
わたしはその対象になったことはないのですが、常にそうならないように怯えていました。
また、勝手にクラスの男子と付き合ったことにされたこともトラウマになっています。
高校に上がり、難関高校に入学したこともあり、勉強や自分の趣味にしか興味がない男子が増え、自分の女性の部分には興味を示されることが減り、彼らとは大学生になった今でも仲良くできています。
しかし、そうではない男子には
言われることも多々あり、怖いという気持ちは抜けませんでした。
女性らしさを出さずハキハキ物をいうようにしていたのは彼らのような男子になめられないようにするためだったので、そこまで色々言われるとは思っていませんでした。
大学に入ってからも、そういったことや服装やメイクについて「もっと可愛らしくした方がいい」と言われることがあり、自分は男子の容姿や振る舞いについて女子ウケが悪いという指摘をしたことはないのに、どうして品定めをするようなことを言われなければいけないのだろうと思います。
女性全般を恋愛対象にしていないような方とはすごく仲良くすることもできているし、完全に男性と話せない訳ではありません。
ただ、女性に興味のあるような男性が怖く(興味があっても全員が女性を品定めしている訳ではないとわかっているのですが)、彼氏ができてもいまいち信用し切ることができません。
お付き合いした人がみんなそうではないと思うのですが、常に採点されている気分になり、息苦しくなってしまいます。
どうすれば直りますか?
川口
回答のために「男性不信 治す」でググってみたりしたんですが、
・信用できる男性で慣れよう、とか
・恋愛映画や恋愛ドラマを見よう、とか
・新しい出会いを探そう、とか
的外れな回答しか出てこなくて困りました。
川口
あなたの男性不信が直らない理由は、「男性が苦手だという"誤解"」によるものです。
これらの2つの理由から、本当は苦手ではないものを「苦手だ」と信じ込んでいることこそが、真の原因です。
これだけではよく意味がわからないと思うので、順を追って説明していきましょう。
このページの目次
男性不信の原因には、相談者さんが体験されたような「男性の言動への不信感」に加えて、「父親に対する嫌悪感」や、「恋愛で大変辛い思いをしたこと」などが挙げられます。
つまり「不信」の根拠が「過去の出来事」にあるということですね。
「過去に酷い目に遭ったから、今不信になっている。そりゃそうだ。何を当たり前のことを」と思われるかもしれません。
川口
でも実はそれが「勘違い」だったとしたらどうでしょう?
もし、自分が未来に避けたいことがあり、それに遭遇しないために「過去の出来事を利用し、恋愛をしない言い訳にしている」としたら?
見え方が変わるかもしれません。
心理学で有名なフロイトやユングは、「原因論」を元にした心理学を追求していました。
「過去に酷い体験がトラウマになって行動できなくなっている」というのは原因論です。
ところが同時期に活躍した心理学者にアドラーという学者がいます。
川口
彼は、原因論とは真逆の「目的論」を唱えました。
例えば、引きこもりの子を診る時、原因論では、「友達にいじめられたから引きこもってしまった」と考えます。
しかし目的論では、家族にかまってもらえるから、引きこもっていると考えます。(*1)
目的論では、「過去に原因がある」とは考えずに、「そうしていた方が都合がいいからそうしている」と考えるのです。
川口
相談者さんももしかしたら、「男性不信でいることによるメリットを享受している」のかもしれません。
男性不信でいれば、恋仲になって裏切られることもありません。
恋愛を避けることで恋愛で傷つくことを回避できている、という見方もできます。
ちなみにトラウマを否定したいわけではありません。
トラウマの治療が有効であるのは間違いないですし、それで救われている人もたくさんいます。
ただ医療の力を必要としない軽度の認知の歪みであれば、目的論で考えた方がその歪みに気付きやすく、解決に向かいやすいというのが僕の体感です。
(*1)あくまでも診断の一例です。実際に、親が放置するようになったら不登校をやめた、という事例があります。
では、「傷つくのが怖いから、男性と恋仲になることを避けている」と仮定したとして、どうなるのでしょうか?
実は、目的論で考えることができると、自分の中の「できないという思い込み」に気付きやすくなります。
川口
実は「できない」んじゃなくて「やってないだけ」なんですよね。
例えば男性不信を友達などに相談すると
という「ド正論」を食らうことになります。
しかし、トラウマを抱えたまま「ド正論」を受け入れるのは難しいです。
「そんなことわかってるよ!それができなくて苦しんでるんです!」となってしまうからです。
ところが、それが"できない"のではなく、"そうしてない"のであれば、話は変わってきます。
「わかっていてもできない」と「理由がやっていない」と捉えるのでは、意味合いが全く異なります。
だからです。
前者のイメージでは行動できませんが、後者は行動につながります。
川口
すると上記の「ド正論」を受け入れられやすくなるはずです。
だって、信用できないのではなく、信用してないだけなんです。
これはありとあらゆることに応用ができます。
「わかっているけどできない」時は、「できない」のではなく「やってないのだ」と捉えてみてください。
これが自然にできるようになると、精神的にとても楽になります。
以上が「男性不信」に対する解決法なのですが、実はもう一つの可能性が考えられます。
それは、相談者さんが信用できないのは、
川口
「男性」ではなく「男性社会」なのではないか
という可能性です。
専門用語で言うと、ホモソーシャルと言います。
ホモソーシャルとはまさに、ご相談内容に書かれていた、
といった、一種の同調圧力のようなものです。
学生時代は、多くの男女がこのホモソーシャルに巻き込まれます。
(もちろん、女性版のホモソーシャルもあります)
ホモ(同一の)ソーシャル(社会)な空間は、常に同質ではないもの(女性、同性愛者、そしていわゆる"男らしくない人")を排除することで成立するのだ。だからこそその空間や価値観に共感できなかったとしても、違和感を表明することはとてもハードルが高くなってしまっている。
相談者さんは、「男子の容姿や振る舞いについて指摘をしたことはないのに、どうして自分が男性に品定めされなければいけないのだろう」と違和感を感じていました。
これは「男性」への不信感ではなく、そう言う「同調圧力」に対しての不信感なのではないでしょうか?
「男性が苦手」だと思っているのと、「男性の間で共有されている雰囲気が苦手」だと思っているのでは、全然違います。
前者は、男性全員に構えてしまいますが、後者は「そういう男性」だけを避ければいい、ということになります。
こう考えれば、普通の男友達とは仲良くできるという感覚にも説明がつきます。
つまり、相談者さんは「男性が苦手、なのではない」かもしれないのです。
喜ばしいことに、今の若い子たちは、そういった性差別的な文化に「アホらしい」と言える人が増えてきています。
相談者さんも、20代前半ということで、男性のホモソーシャルに嫌悪感を示す同年代の男性も多いでしょう。
そういう人とだったら安心して恋愛できるはずです。
冒頭で
川口
あなたの男性不信が直らない理由は、「男性が苦手だという"誤解"」によるものです。
といった理由がわかったのではないでしょうか?
「男性が苦手」というイメージが、「思い込み」を呼び「男性を信用できない証拠を探させて」しまっています。
でも「実は苦手ではなかった」と認識が変えるだけで世界はガラリと変わります。
あまり「男性が苦手」だと決めつけない方が、本当に自分と相性のいい男性との出会いを逃さなくて済みます。
もし、自分は男性不信だと決めつけてしまっているなら、その「誤解」を解いてあげることをおすすめします。
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