川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ
恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演。
マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通。Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ)
「自分の好意をどのタイミングでどのように伝えるのか」という悩み。
あなたも恋愛をしたことがあるなら、一度は悩んだことがあるテーマではないでしょうか?
川口
「好意の伝え方」は恋愛における最重要課題だと言ってもいいでしょう。
それゆえ、自分が好意を伝える前に相手に不本意な形で伝わってしまう、いわゆる「好きバレ」の問題もよく議論されます。
先日もフォロワーさんから、「好きバレ」についての相談を受けました。
その内容がとても普遍的なものでしたので、ご紹介します。
きっとあなたにも共感するところがあるのではないでしょうか。
川口さん、こんにちは。
Twitterやブログを読ませていただいています。
最近知った恋愛ルールの本に「好きバレしてはダメ!」と書かれていました。
でも好意は伝えるべきだと思いますし、女性側から男性をデートに誘ってもいいとも思います。
ただ、LINEの頻度や「相手の好意を引き出す」好意の伝え方がよくわかりません。
今好きな男性がいますが、彼からしてもらったことでうれしいことがあるとその気持ちを伝えています。
ですがLINEなどで伝えると、時々返事が来ません。
これもある恋愛カウンセラーのルールだったのですが、「彼への返信は短くそっけなくすること」ということもありました。
彼から長いLINEが来ても、ごくごく簡単に返すべきと。
好きな気持ちがどっさり乗っかっているとダメ、と。
タイミング、相手の好意や気持ちの盛り上がりなどにも寄るとは思いますが、「好き!」とただ伝えても「お、おう…」かよくて「ありがとう」となるのでは…と悪い方へ考えてしまいます。(過去の彼氏に「好き!」と言ったら「ありがとう」と返され、相手が冷めていたことがあります…)
もしかして「わたしの好意をわかって!!」というような感情が無意識にメッセージに乗ってしまってるのでは…なんて思ってしまうこともあります。
相手が返事したくなるようなメッセージを考えるのが下手なのかもしれません。
バレるとまずい!と感じてしまうのは、小学生の頃(!)に誰々を好きだとバレると周りにからかわれるし、本人にも避けられたりしたことがあったのがベースになっている気もします。
また、こちらが意思表示しているけれど、相手にはぐらかされ続けたというのも(最終的には連絡つかなくなった)その不安を大きくしている気がします。
好意がバレると不利になるという恐怖心を無意識に持っていました。
でも、好意だけでなく様々なことは言わないと伝わらないし、言葉でのコミュニケーション(お互いの意思確認)なども大事にしたいです。その加減が難しいなとも思っています。
伝える相手からも気持ちを引き出せるような伝え方を知りたいです。
相手のおかげで幸せな気持ちになれたことを知ってもらって、相手にも喜んでほしいなって思います。
川口
さて、あなたならこの相談者さんに、なんてアドバイスするでしょうか?
「確かに、好きバレは不利になる!慎重に行こう」でしょうか?
それとも、「好きなんてバレてなんぼだ!どんどんアタックして行こう!」でしょうか?
実は、この相談者さんには「ある視点」が決定的に欠けています。
その「視点」がないからこそ、伝え方に悩み、好きバレに悩んでしまうのです。
逆にその「視点」さえあれば、「自分の好意をどのタイミングでどのように伝えるのか」を悩むことはなくなるのです。
このページの目次
川口
好きバレのデメリットは、大きく分けて以下の2つですね。
この記事では、このデメリットを解消しつつ、きちんと好意を伝えるための方法をお伝えしていきます。
その前に、恋愛ルールの本に載っていたという「好きバレすると不利になる」は本当なのか?
その辺りの検証から始めましょう。
相談者さんが読んだように、「好きバレ」のデメリットを回避するために、
恋愛コンサル
気持ちは隠して、巧妙に相手を嫉妬させて、向こうからアプローチが来るように仕掛けよう
とアドバイスされることがよくあります。
結論から言うと僕は、この考え方を支持していません。
例えば、仮に既に好きバレしてしまった場合には
などをして、相手が「あれ、俺のこと好きじゃなくなった?」「他に好きな人ができたのかな?」と思わせるような行動を取ることが推奨されます。
川口
でもそれって要は、自分がないがしろにされて傷つくのが怖いだけでしょう?
僕は、この保険をかけた恋愛の仕方がセコいなと思います。
なぜなら「徹底的に自分が傷つかないように」物事を進めようとしているからです。
これでは、相談者さんが望むような「相手も自分も好意を認め合う」ような関係性を築くことができません。
そもそも好きバレをして「不利な」展開になってしまうのは、その人が
という考え方を持っているからです。
そういう考えの人は、同じ考えの人を引き寄せるので、好きバレすると上下関係ができてしまい「不利」になります。
一方で、
という考え方を持っていれば、同じように考える人を引き寄せます。
そういう人は、仮にあなたとお付き合いすることを選ばなかったとしても、あなたの好意を嬉しく思い誠実に対応します。
決して「あいつ俺のこと好きなんだな、しめしめ」と、”下”に見ようとしたりはしません。
川口
そもそも、好きバレして「不利」になるような人を、好きにならない方がいいと思うんですよね…
ところで、恋愛は営業によく似ています。
恋愛はお付き合いするまでに、相手に自分の魅力を伝え、他と比べてもらい、最終的に自分に決めてもらうプロセスがあります。
営業にもまた、自社製品をPRし、競合がいて、成約するという営業のプロセスがあります。
ですから恋愛は営業に例えて考えると非常に理解しやすくなります。
営業に、どうしたら顧客が自分を気持ちよく選ぶか?にコツが存在するように、「好き」のバラし方にもコツが存在します。
好きバレすると「不利」になってしまう人は、恋愛における「ヒアリングやプロモーション、提案やクロージングが下手」なのです。
川口
僕は、学生時代、好意のバラし方がとにかく下手でした。
象徴的だったのは、大学生の時に好きになった子との恋愛です。
彼女とは入学前の推薦入試の時から仲良くなり、入学前に二人でオープンキャンバスにもいくほどの仲でした。
入学後も、しょっちゅうを電話し、その時間も2〜3時間と長め。
「これは完全にこれはイケるだろ」と確信した僕は、ある時電話口で自分の気持ちを告白します。
しかし、結果は予想とは裏腹に玉砕。
当然その噂は学科中に広まり、その後半年間は彼女ともギクシャクしてしまい、生きた心地がしませんでした。
その後、社会人になって営業を学んだ僕は、当時の恋愛がなぜうまくいかなかったのか、とてもよく理解できました。
失敗しやすい営業(恋愛)には共通点があったのです。
▼好意の伝え方が下手な人
— 恋愛プロフェッショナル 川口美樹 (@kawaguchi_AAA)September 2, 2020
0.好意を隠し
1.相手の状況を調査せず
2.自分の気持ちが高揚した時に
3.玉砕覚悟で
4.自分の話したいようにぶつける
▼好意の伝え方が上手な人
0.好意は隠さず
1.相手の状況を把握し
2.相手の気持ちを高揚させ
3.90%以上の確証を得て
4.相手の受け取りやすいように渡す
当時の僕は、まさにこの『好意の伝え方が下手な人』の典型例でした。
相手が恋人が欲しいのかどうかも調べずに、自分の中で勝手に相手の気持ちを予想して、自分の都合で告白したわけです。
営業で言えば、訪問先の企業のニーズも調べずに、「我が社の製品なら大丈夫」と謎の自信だけを根拠に、突撃アポと提案を繰り返すようなもの。
川口
これでは、成約が取れるわけがありませんよね。
営業をするときに下心を隠すことはできません。
成約を取りたいという動機があるからアプローチをするわけで、「別に売上のために近づいているわけではないですよ」と嘘をつくのは無理があります。
売れない営業はこれをしがちです。拒否されるのが怖いからです。
一方のトップセールスは「ガッツリ売り上げのためにアプローチしている」ということを隠しません。
要するに最初っから「好きバレ」しているのです。
川口
ただし、そのバラし方が「相手にとって心地よい」のがポイントなのです。
トップセールスはヒアリングがとにかく上手です。
相手の悩み、解決したい課題、理想の未来など、細かく丁寧に親身に聞いていきます。
このとき「自分を選んでもらいたい」という気持ちはいったん脇に置いて(これが難しい)、ひたすら相手の立場になって一緒に問題に向き合おうとします。
そして自社のソリューションで解決できそうなニーズを炙り出していきます。
相手が何をして欲しいのか?を事前に把握できているので、何をどう伝えたらいいのか?に迷いがありません。
これを恋愛に応用すると、お付き合いを考える前に
などをいろいろな話題を振りながらヒアリングをかけていくことが重要だとわかります。
これさえ徹底できれば、何をどのタイミングでどう伝えるのか?を考えるのはさほど難しくはありません。
川口
相談者さんに欠けていたのは、この視点なんです!
こうやって丁寧にヒアリングをかけていくと、相手に「自分のことを深く理解しようとしてくれている」という印象が与えられます。
結果として、相手からの信用が得られます。
この時には、相手にはこちらの好意は十分に伝わっています。
川口
好意がなければそんなに丁寧に人の話を聞こうとなんてしないですからね。
この状態になって初めて、二人きりのデートにお誘いします。(営業なら商談に進む感じですね)
ここで友達としてではなく、異性としてお付き合いするつもりがあることを暗に示すわけです。
これまでのヒアリングの中で
をある程度は把握していますから、それをデート中に実行していきます。
すると相手の中で「この人は自分のことをよくわかってくれている」という感覚が確信に変わります。
脈アリサインとして一番正直に出るのは「パーソナルスペース」です。
肩にもたれかかったり、手を繋いだりして、「物理的な距離を縮めても嫌がられないか?」を判断します。
この時点では相手には完全に「好きバレ」していますので、相手には「告白される準備」が整っています。
この状態の時に告白すれば大抵の場合はうまくいきます。
告白してもふられてしまうのは、相手がミットを構えてない時に豪速球でストレートを投げ込むからです。
告白は、相手がミットを構えているところに、ポーンと受け取りやすいようにボールを渡すだけで良いのです。
好きバレして物事がうまくいかなくなるのは、
からであり、「必要だと思っていない商品を売られるんじゃないか?」という警戒心を抱かせてしまうからです。
このような状況にならないために、「相手にとって心地の良い好きバレのし方」を徹底する必要があります。
この視点に立つと、
恋愛コンサル
気持ちは隠して、巧妙に相手を嫉妬させて、向こうからアプローチが来るように仕掛けよう
というアドバイスが、いかに自分勝手で相手のことを考えていない発想であるか、がよくわかるのではないでしょうか?
さて、次は、恋愛対象が職場や学校などの「同じコミュニティー内にいる時」のデメリット回避方法です。
川口
これには、僕も学生時代、相当苦しみました。
その女の子の人気が高かったので、僕が若干悪者の立場になってしまったことが辛かったです。
直接言われたわけではないのですが、「勘違いして自滅した痛いやつ」のレッテルを貼られているような気分になりました。
この時に学んだのは、同じコミュニティー内で恋愛する際には、周囲からの信頼が厚いことが重要だということです。
職場恋愛で話をしましょう。
仕事は原則一人では完結できません。
仕事を生み出す人、押し進める人、管理する人、整理する人など、様々な人間関係の上に成り立つのが仕事です。
そこに色恋が持ち込まれると、仕事仲間に「気遣いコスト」が増えストレスになります。
ですから、社内恋愛をする際には、その恋愛が成功しようと失敗しようと「周囲から応援される人間になっていること」が必須条件です。
いかに普段から職場での信用度を貯めておけるのかがカギです。
川口
もしあなたが今その状態でなく、かつ意中の人や周囲の人間に好きバレしているなら、その恋愛は諦めた方が無難です。
コミュニティー内で恋愛をするときは、とにかくゆっくりじっくりが基本です。
知り合いなら知り合いの距離から一歩ずつ、同僚なら同僚の距離から一歩ずつです。
ニーズ調査を丁寧に行い、ほぼ間違いなく断られない状態になるまで、デートのお誘いは控えましょう。
基準は「そのお誘いに勇気を必要としないかどうか」です。
その「お誘い」が当たり前に行われる関係性になってからお誘いしましょう。
川口
間違っても、距離を一気に縮めようと、一か八かの勝負には出ないでくださいね。
そして好きバレに関してはもう一つ重要なことがあります。
それは「意図的に好意を伝えない」という選択肢を持っておく、ということです。
なぜか多くの人が、誰かを好きになったらその想いを成就させなければ、と思い込みます。
しかし、誰かを好きになったからと言って、その想いを「お付き合い」に昇華させなければならない、という義務はありません。
その恋を進めるのか、進めないのかは選べるのです。
川口
この例に関して、非常に参考になる意見を頂戴したので、ご紹介します!
私の場合18歳のときから2年くらい好きだった人に、好きなことがバレないよう必死でした。
なぜそこまで必死だったのかというと、理由は二つあります。
一つ目は付き合わなくてもとても仲が良く、好きだった2年間は普通のカップルより会っているほどの仲だったからです。
「わざわざ好意を伝えてこの関係を崩すくらいなら何も言わずにずっとこの関係でいたい」と思っていました。
二つ目は、こんなに仲が良いのに恋愛感情がばれたら、気持ち悪いと思われてもう会ってくれないんじゃないかと思ったからです。
私は女性ですが、「友達だと思ってたのに告白されて嫌だった」という話がよく友人同士の話題に上がります。
男性の間でもこう言ったことはあるのでは…と思い、友人としてとても仲が良いのに、好意を伝えることは迷惑なことなのではないかと思いました。
結果として好意を伝えることはなく、なんとなく彼への恋愛感情はなくなり、自分のことを好きと言ってくれた人とお付き合いして、彼よりも好きになることができました。
今でも彼とは友人として仲が良く良好な関係を続けられています。
私個人としては、好きバレしないようにつとめていれば、そのときは付き合えなくて辛いけど、そのうち好きではなくなったときに友人を失わなくても済むという認識でした。
恋愛感情はさておき、友人としてずっと仲良くしたい人には好きバレしたくないのではないか、と思います。
川口
僕も、この人の考え方には賛同できます。
過去に仕事仲間で、「こいつ俺のこと好きなんか…?」と思うくらい、積極的な女性がいたことがあります。
そのアプローチを受けて、僕もなんとなく彼女のことが好きになっていました。
おそらく僕が関係性を発展させれば、お付き合いにも発展したと思います。
それでも僕は彼女とは「仕事仲間でいた方がいい」という結論を下しました。
結果的に、人間関係も拗れることもなく、最終的には仕事を一緒にすることもなくなったので、その決断は正解だったと今でも思います。
好きバレを気にする人は、自分の見え方ばかり気にしていて、「相手」や「周りの人」の目線が決定的に欠けてしまっています。
もし今あなたが「ヤバイ、あの人に好きバレした!どうしよう!」と悩んでいるなら、以下のことを自分の胸に聞いてみてください。
川口
そうすれば、自分が今何をすべきなのか?自ずと答えが出てくるはずですよ!
\結婚したい人必見!/
|
\彼氏・彼女が作りたい人/
|
||||
男女関係にまつわる悩み
|
オトナの恋愛事情
|