川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ
恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演。
マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通。Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ)
奢られたい女
デート代すら出せない男なんて論外よね
奢りたくない男
奢られて当然だと思ってる女は性格が悪い
あくなき、奢り奢られ論争のバトル。
過去何度となく見てきたこのやり取り。
正直言って
めちゃくちゃ不毛じゃないですか?
川口
男が払うのか、女も出すのかなんて、超絶どうでもいいですよね。
と思っていたのですが、世間を見渡すとまだまだ、奢り奢られ論争に振り回されて、
結局何が正解なんだ〜
と混乱している人も多いようです。
川口
こういう人たちは、おそらく
の本質を理解していないのだろうなと思います。
そこでこの記事では、
を一から丁寧に解説してみたいと思います。
川口
奢り奢られ論争にモヤモヤしている人は、そのモヤモヤがスッキリすると思いますよ!
このページの目次
2018年11月、「LINE Pay」が20代〜30代の会社員35,915人を対象に、割り勘についての意識調査を実施しました。
男性に向けた「意中の人とデートで食事をする際、支払いはどのように済ませることが多いですか?」という質問に対して、男性は
と回答しました。
一方、女性に向けた「意中の人とデートで食事代が割り勘になることに対し、あなたの本心はどれに近いですか?」という質問に対して、女性は
と回答しました。
川口
女性の7割が「割り勘でも良い」と答えているんですよね。
「割り勘でも良い」と考えている女性たちにヒアリングをすると、だいたい以下の理由に集約されます。
大まかにまとめると、「男も女も関係ないじゃん」ということなのでしょう。
この辺りの感覚は、「奢られるのが当たり前だった」40代後半以上の人は、あまり理解できない感覚のようです。
川口
「奢らない男とかマジ無理」と言っている人は、価値観が時代に追いついてないですね。
女性がそのように思うなら、男性も「割り勘でいいじゃんか」と思いそうですが、案外そうはなりません。
上記の意識調査にも出ているように、ほとんどの男性が多めか全額支払うと回答しています。
なぜかというと、「女性に嫌われたくないから」です。
「男性に多めに払って欲しい」と考えている女性の意見をまとめると
という意見に集約されます。
川口
こんな意見を耳にして、「じゃ、割り勘で」って言える男性はほとんどいません。
「お金をスッパリと出す=男らしい」という過去のジェンダー観が、女性の男性に対する評価を歪め、それに対して男性が「頑張って」応えているのが現状です。
世の男性たちは「女性のことを大切にしているから」奢っているわけでは決してなく、「みみっちい男だと思われるのが嫌だから」奢っているのです。
とはいえ、中には「俺は普通に奢りたいけどね!」と考える男性ももちろんいます。
その人たちは、どのような感覚なのでしょうか?
川口
積極的に奢ろうとする男性の気持ちについても考えてみましょう。
彼らは共通して、次のような意見を主張します。
奢りたい男性
女性はデートまでにメイクやネイル、ムダ毛処理などにお金も時間もかけている。
その分を男が持つのは当然だろう。
要するに「女はデートに行くだけでお金がかかってるのだから、その分は男が負担しろ」と言うわけです。
中には、
奢りたい男性
そういう想像力もないまま、「割り勘しない女がむかつく」とかいうからモテないんだよ(笑)
とマウンティングしてくる人もいます。(し、それに「そうだ、そうだ!」と乗っかる女性もいるので、さぞ嬉しそうです)
この種の発言を聞くと僕はいつも、
川口
あなたはデートの前に、スキンケアも靴磨きもせず、シャツやジャケットのアイロンがけも、何にも準備をしない人なんですね。
突っ込みたくなってしまいます。
奢りたい男性
男は女性の負担を軽くすべきだ
と主張する人の多くは、女性の見方をするフリをして、「女性の気持ちを理解できる俺」を承認されたいという気持ちも隠し持っています。
それなりに収入がある人だと、『金額を気にせずに奢れる俺って社会的に成功しているよな』と思いたい、という気持ちがあるケースもあります。
いずれにせよ、そういう男性は女性とのデートを「お金を出せる自分」を承認してもらうためのもの、として考えているのであまり健全とは言えません。
川口
中には交際費として計上するために、税金対策で奢りたがる人もいます。
ただその節税は黒に近いグレーなので、そういう人とは付き合わないほうがいいかもですね。
一方の「男が奢って当然。奢るほうが男らしい」と考える女性も、似たような承認欲求を抱えています。
彼女たちも、「奢れる価値のある俺」のマウンティング欲求同様に、「奢られる価値のある私」を承認したいという気持ちを持っています。
奢られたい女
デートはさらっと払ってくれるほうがかっこいい
というのは建前で、本音は「男性がデート代を払ってくれると自分の価値を認められるわ」なんですね。
川口
港区女子やパパ活女子の発言を聞くと、この感覚のオンパレードですよね。
以前、高級ガールズバーで働いている女性から
奢られたい女
普段から万単位で奢られすぎていて、5,000円”も”払えないような男性を好きになれなくなってしまいました。
という相談が届いたことがあります。
その人は、奢られることに慣れすぎてしまって、その金額でしか「自分の価値」を測れなくなってしまったのです。
奢りたい男性は、奢ることによって自分の価値を認めようとし、奢られたい女性は、奢られることによって自分の価値を認めようとする。
このように「お金で自分の価値を判断する」のは、自分のアイデンティティさえ壊す危険性があるのです。
川口
奢り、奢られてで承認欲求を埋めてしまう人は、そもそも「支払い」や「デート」に対する考え方を抜本的に改める必要があります。
そもそもお金は、サービスに対する対価として支払われるべきものです。
デートで一緒に食べるご飯には、
などの「コスト」がかかっています。
そのコストをかけて美味しいものを提供してくれた労働力に対して、お客さんはお金を払うわけです。
単純に「ごちそうさまでした、ありがとう」と言って会計すれば済む話なのに、
なぜかいつの間にか
川口
「この人に価値があるかどうかの人間性の判断」にすり替わっちゃうんですよね。
僕らがデートでお金を払うときは、あくまでもサービスにしてお金を払っているのであり、デートの相手に払っているわけではありません。
二人の時間を演出してくれたことに対して、ありがとうの気持ちを込めて支払うのが「デート代」です。
川口
それを「どっちが」払うのかを揉めること自体、ものすごく低レベルな話です。
デートの相手が
受けたサービスに対して心から「ありがとう」と言えれば、それで十分幸せなことではないでしょうか?
なぜ、お金を支払う側にいる人間が、そのお金で自分の価値を測ろうとするのか?
僕にはそれがとても不思議でなりません。
こういう話をすると、一部の女性から「奢られないと自分が大切にされてないと感じる」という質問をいただくことがあります。
これは明らかな誤解であり、奢る・奢らないの行動で相手の本音など測りようがありません。
例えば、ある男性が
男性
ここは僕が払うよ。
とスマートに会計していたとしても、裏では
男性
ハァ〜、つまらないデートだった。
なんだあの女、偉そうにしやがって。二度とさそわねぇ。
と思っていることもあります。
また一方で、奢る気配の全くみられない男性が、実はすごいお金持ちで
これまでは当たり前のように奢ってきたけど、この人はそういう表面的なところで判断しようとする人じゃないかも…
と、相手の出方を伺っている可能性も考えられます。
ですから「奢る=気がある」とも言えないし、「奢らない=気がない」とも言えないのです。
川口
かくいう僕は「絶対に奢る派」から「割り勘推奨派」に変化した人間です。
僕の場合は、妻との出会いが奢り問題に対する意識を180度変えました。
一番衝撃を受けたのは、妻の「二人で楽しんだんだから、二人で払うのは当然でしょ」というセリフ。
川口
た、確かに〜!!
と思わず納得してしまいました。
そこからは、「二人で食べるご飯」「二人で行くライブ」「二人で見る映画」にお金を払う、という意識に変わりました。
よく「初デートでサイゼリアに連れて行く男はありえない」なんて話題が炎上しますよね。
妻とは結婚する前に、それこそ280円の牛丼から3万円近くするディナーに至るまで体験しました。
しかし、その金額いかんでお互いに対する評価が変わるかというと、全く変わりませんでした。
なぜなら、どんな価格帯であれ「この人と一緒に過ごせている時間」そのものが、お金に換えられない絶対的な価値を持っているからです。
もちろん、安いサービスよりも高いサービスの方が、より高い幸福感を得られることもあります。
お金があった方が、ないよりも多くの体験をすることができます。
でも本当の幸福は、どんなデートをしても「あぁ、一緒にいられて幸せだなぁ」と感じられる相手と出会えることにあるのではないか、と僕は考えています。
川口
デートの中身なんて本当はどうでも良くて、デートの中身なんてどうでも良くなる人とデートすることが大事なんじゃないですかね。
とは言え、下手にお金を出そうとすれば「せっかく奢ろうと思っているのに」という相手の気持ちを削ぐこともあります。
それが目上の人であったり、先輩であったりすれば失礼になることもあるので、気を付けなくてはなりません。
そこで「気持ちよく奢られる方法」について整理しておきましょう。
これを理解しておけば、結婚相談所のお見合いなど「男が奢ることがルールとして決まっている」ところでも、スムーズにコミュニケーションを進めることができます。
相手に奢ってもらえることが予測できる場合、奢ってもらう側には「全力でその時間を楽しむ義務がある」と僕は考えます。
お店の内装に感動し、出された料理に感動し、好奇心を持って相手の話に興味津々に耳を傾ける。
その姿勢が大事です。
川口
もし、お店の雰囲気や料理に文句を言ったり、大した反応もなく受け身で会話したりしていたら最悪です。
奢る側が「こんなに喜んでもらえるなんて嬉しいな。誘ってよかったな。」と思われるような言動を心がけましょう。
これは「上辺だけ」そう演じていても無駄です。
女性の中には、「ニコニコしてればバレない」と思っている人がいるようですが、絶対にバレてます。
ちゃんと、心から「今日は楽しい時間を過ごせました。本当にありがとうございました」と言えなくてはなりません。
そのためには、相手が時間を割いてくれたことに感謝し、その時間を最大限に楽しむ努力が必要です。
川口
仮にバレてないのだとしたら、お相手の男性のレベルがかなり低いので、自分の人間性を磨いた方がいいかもしれませんね。
奢ってもらえたなら、無形でも有形でも構わないので、何かしらの形で必ずお返しをしましょう。
川口
「奢ってもらって当たり前」でいると、いつか絶対に愛想を尽かされます。
自分の出せるバリューの中で、相手がそうされたら嬉しいものを考えて、御礼をすることで感謝の気持ちを伝えましょう。
「奢っていただいた御恩は、いつか必ずやお返しさせていただきます!」くらい謙虚であることが重要です。
その姿勢が伝わらないと「次」はありません。
奢り奢られ論争を見るたびに、
男性はデート代を出して当たり前
という女性には、「せめて積極的にそうしたくなるような時間を提供してくれ」と思いますし、
奢って当たり前な態度を取るような女には金を払いたくない
という男性には、「そもそもそんな女性を選んだあなたの器の問題ですよ」と言いたくなってしまいますが、
正直、この論争自体がかなりレベルの低い議論です。
男性の器が小さいと嘆くよりも前に、
女性の勘違いに腹を立てるよりも前に、
男女のデートにおいて、重要視すべきことは
の2点です。
男性が出そうが女が出そうが、割り勘だろうが割り勘じゃなかろうが、そんなことはどうでもいいのです。
川口
大事なことは、そこであなたは幸せに過ごせたんですか?ということ
相手がお金を出してくれたら幸せですか?
お金を出した相手が無反応になったら不幸ですか?
相手の出方次第で、自分の気持ちを左右されるなんてもったいないですよね。
相手がどんな人であろうと、その時間を幸せに過ごせる人が、結局は幸せになれる相手を見つけられるってことだと僕は思います。
\結婚したい人必見!/
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\彼氏・彼女が作りたい人/
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