川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ
恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演。
マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通。Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ)
はじめまして、社会人8年目です。
元々恋愛で悩みがあり川口さんの記事を拝見したのですが、
その記事で、恋愛ではなく自分の仕事・キャリアに問題があることを再認識しました。
自分のしたいことって、どのように見つけるのでしょうか?
仕事における"なりたい自分"や目標が無く、本当に苦しいです。
私は、仕事における目標がありません。
やりたくない仕事はたくさんありますが、やりたい仕事が無いのです。
この年にもなって本当に情けないですが、「自分のしたいこと」について考えるだけで胸が苦しくなりますし、涙が出てくるときもあります。
私は、以下2点が問題点だと考えています。
上記2点をさらに「なぜだ?」を考えると、自分のやりたいことが無いからだと気づきました。
自分の成し遂げたいことが無いから、他人の評価を軸にしてしまうし、努力して何になるのか腹落ちしていないから、いつまで経っても自分との約束が守れないのです。
よくある自己分析(自分が好きなもの・自分が喜びを感じることの棚卸し)をしても、「〇〇」「△△」「◆◆」(※プライバシーの関係で伏字)のような、やりたいことにどう繋げるのか分からないワードが出てきます。
ご教示お願いできますでしょうか。
川口
>ダラダラ考えて行動していないのが悪いのか
これですね。
やりたいことだから頑張れるんじゃなくて、頑張るからやりたくなるんです。
このページの目次
川口
人の「やる気スイッチ」って体を動かすことでしか入らないの知ってます?
ほとんどの人が人間の「やる気が出る仕組み」を勘違いしています。
「やる気がどこからやってくるのか?」
この問いに悩んでいる人は本当に多いのですが、実は科学ではもう答えが出ています。
脳には、大脳基底核の一部に「淡蒼球(たんそうきゅう)」という部位があります。
ここから送り出された信号によって、いわゆる「モチベーションが高い状態」になります。
重要なのは、この淡蒼球を動かすのが「脳」ではなく「体」であるということです。
川口
よく「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」と言われますよね。
あれは本当で、人間の感情は行動、正確には「筋肉の動き」によって起こされます。
「口角を上げている」という筋肉の動きから、脳が「楽しいことなのだ」と解釈しているのです。
この順番を間違えると、「やる気」が自己分析から出てくると勘違いし始めます。
そうして「なぜ自分にはやりたいことがないんだ…」という、答えの出ない悩みに陥っていくのです。
川口
ちなみに僕は、この全く意味のない問いのせいで、5年間くらい無駄にしました(笑)
つまり、どんだけ頭でうんうん考えていても、「やる気」は出てこないのです。
仕事において最も「やる気」を引き出すのは、自己分析でもなく給料でもなく「仕事そのもの」なのです。
上記2点をさらに「なぜだ?」を考えると、自分のやりたいことが無いからだと気づきました。
これは完全なる誤解です。
相談者さんが自分との約束を守れないのは、「やりたいことが無いから」ではなく、「やらなくても問題ないから」です。
顧客対応は「やらないと問題があるから」やっているに過ぎません。
ここから導き出せることは、「やりたいことを仕事にする」ためには、「仕事をやりたいことにしていく」作業が必要になるということです。
YouTubeが「好きを仕事に」とPRしたせいで、ほとんどの人が「天職がどこかにあるはずだ」というありもしない幻想を抱くことになりました。
残念ながら、「好きな仕事」はどこかに転がっているものではなく、「仕事を好きになった」人が作り出したものです。
ですから「好きを仕事にする」には、「仕事を好きになる」工夫が必要になります。
川口
好きな人と付き合うよりも、付き合った人を好きになる方が100倍大事なのと一緒ですね!
では、相談者さんがなぜ「なりたい自分」が見つからないのか?
それは「責任を取る職責を任されに行ってないから」です。
上から降ってきた仕事をこなしているだけでは、本当に自分のやりたいことなど見えてくるはずもありません。
というセルフPDCAを繰り返すから仕事は面白くなるのです。
それはすなわち、その仕事の結果に責任を持つということです。
川口
これは仕事の大小は関係がありません
例えば「資料のコピーを取る」と言う仕事一つとっても、
などなど、無限に改善点が出てきます。
「コピー取ってきて」って言われた時に、
が仕事を面白くできるかどうかの分岐点になります。
さらに注意しなければならないのは、仕事の99%はルーティーンである、ということです。
例えば、「好きを仕事にしている」代表格のYouTuberの仕事を考えてみましょう。
YouTuberは、毎回毎回違う企画を考え、毎日が新鮮な仕事にあふれているように見えます。
川口
しかし実際はそうではありません!
撮影している以外の時間は、「企画会議」「事務作業」「編集地獄」で埋まります。
カメラに向かっている1~2時間以外は全て、パソコンに向かってカタカタしている地味な作業です。
この「パソコンに向かってカタカタしている地味な作業」を極めて行ったのが、かの有名な『水溜りボンド』のカンタさんです。
世の中に面白い仕事なんてありません。仕事の大半はとても地味なものです。
だからこそ、いかにして地味な作業にやりがいを見出すのか?が大事になってくるのです。
自分の成し遂げたいことが無いから、他人の評価を軸にしてしまう
違います。成し遂げたいことがあることと、他人の評価を気にすることは関係がありません。
成し遂げたいことがある人でも、普通に他人の評価を軸にしています。
逆に成し遂げたいことが無い人でも、他人の評価を気にしない人もいます。
努力して何になるのか腹落ちしていないから、いつまで経っても自分との約束が守れない
違います。腹落ちできる理由があるから、努力できるのではありません。
一生懸命努力するから、腹落ちする理由が見えてくるんです。
川口
自分がサボっている理由を「やりたいことが無いこと」のせいにしないように
単純にあなたは一生懸命仕事に向き合っていないだけなんですよ。
繰り返しになりますが、仕事は「自分で面白くしていくもの」です。
そのためには、達成感のハードルを下げることが重要です。
川口
例えば、Twitterのフォロワーを増やす、というタスクが与えられたとします。
最初はそんなに一気にフォロワーなんて増えませんから、1日1フォロワー増えれば良い方です。(自動化ツールとかを使わない)
この時に「1しか増えてないや…」と思う人は、フォロワーを増やせません。
一方で、「わぁ!フォロワー増えた!一体どんな人がフォローしてくれたんだろう!?」と感動して、その人のタイムラインを隅々までチェックして、
と考えられる人は、フォロワーを増やし続けられます。
川口
このように、ちょっとした変化を大袈裟に喜べるくらい想像力を働かせられるかどうか?で仕事の面白さは変わっていきます。
「自分にピッタリな運命の人」を探している人がいつまでも結婚できないのと同じように、「自分にピッタリな運命の仕事」を探しているうちは天職を見つけられません。
「大好きな人と結婚した人」の裏にも、「大好きな仕事を天職にした人」の裏にも、「大好きになっていった過程」が必ずあります。
しかしその過程は一般的に可視化されません。
だから「好きなことさえあれば」と勘違いする人が後を絶たないのです。
恋愛も仕事も、「好きだから続く」のではなく、「好きになろうと努力するから続く」のです。
今後の人生で、それだけは忘れないでいただきたいなと思います。
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