なぜ自信がない人が「自分を好きになる」努力をすると失敗するのか?

記事更新日: 2023/12/15

ライター: 川口 美樹

この記事を書いた人

川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ

恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演

マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ

川口

愛され上手になりたいなら、もっと自分を好きになろう!

恋愛のことを勉強すると一度は出会うセリフではないでしょうか。

実はこのアドバイスは、完全に間違ったアプローチだって知っていましたか?

 

そういった主張のほとんどは

  • 自分に自信がないのは自己肯定感が低いから
  • 自分を好きになることから始めよう!
  • そうしたら自分に自信がついていい恋愛ができるようになるよ

といった論理が展開されています。

川口

一見すると納得感のある意見ですよね。

 

でもよくよく考えると、自己肯定感が低く自分に自信がない人は、その『自分を好きになるのができないから』苦しんでいるのです。

そんな人たちに「自分を好きになろう」とアドバイスするなんて、残酷にも程があると思いませんか?

そもそも「自信」ってなに?

「自信」は

  • 自分が自分のことをどうみているのか?=自己評価と
  • 他人が自分のことをどうみているのか?=他者評価の

二つの評価で構成されています。

自己評価が高くないまま他者評価だけを求めようとすると、過度に愛情を求めるメンヘラになったり、ブランドや肩書きでしか自分を語れない人間になります。

他者評価がないのに自己評価だけ高いとナルシスト・勘違いやろうになりますし、他者評価は高いのに自己評価が低いと卑屈で可愛げのないやつになります。

この二つの評価はどちらも重要で、そのバランスがとても大事です。

高い他者評価は、自己評価を高くし、高い自己評価は他者評価につながる実績を生み出しやすくなります。

この二つの評価が正常に高め合っている人が「自信のある人」と言えるでしょう。

自己肯定感と自信はイコールではない

ところが、この「自信のある状態」を「自己肯定感が高い状態」だと勘違いしている人がとても多いのです。

自己肯定感が高いことと、自分に自信があることはイコールではありません。

自信がない人に「自分を好きになろう」とアドバイスをするのはナンセンス

自分に自信がない人に「自分を好きになろう」とアドバイスをするのは残酷です。

自信がない人は、自己評価が低い人ですから、何の実績もないところで、「自分を好きになれ」といったところで。『いや、だからそれができないんですって』と返されるだけです。

むしろ「自分の好きなところ…ないです」とさらに自信を失わせるだけです。

自信がない人にやってもらうべきは、自己肯定感を高めることです。

自己肯定感はダメな自分でもいいや、という感覚

自己肯定感の定義は、「どんなにダメダメな自分であっても、それをよしとする」感のことです。

ですから、実績や評価を元に高まる「自信」とは真逆の概念です。

逆に言えば、自己評価が低くても他者評価が低くても、高められるのが自己肯定感のなのです。

ですから世の中に流通している「自己肯定感を高めるために自分を好きになろう」というアドバイスは、完全に矛盾しています。

なぜなら「自分を好きになれない自分をよしとする」ことが自己肯定感を高めることにつながるからです。

自己肯定感をあげるための自分にかける言葉のコツ

では実際に「自分を好きになれない自分をよしとする」にはどうしたら良いのでしょうか?

それは、自己承認上手になる=肯定できるハードルを可能な限り下げることです。

具体的には、以下のような内的会話ができるようになることを指します。

  • 「わたし今日も朝きちんと起きて、遅刻せずに出社してる!偉すぎww」
  • 「待って待って、よく考えたら、生きてるってだけで勝ち組じゃない?」
  • 「プロジェクトは失敗したけど、挑戦した時点で成功?的な?」
  • 「悩むよね〜、だって私だよ?悩まないとか無理じゃない?」

こういう”いい意味での勘違い”こそが自己肯定感を醸成していくのです。

川口

思ってたのと違いましたか?

自己肯定感と高めるためには、自分のいいところを褒める必要はありません。

自分を肯定する基準を極限までに下げて、「ま、いっか」と思えるようになれればそれで万々歳なのです。

ダメな自分を許せた時、人は自分を好きになれる

自己肯定感が低い人は「憧れ」を捨てよう

自己肯定感が低い人は、理想の基準を高く設定しすぎています。

下手に「こんな人になりたい」という憧れを抱いているため、「そうなっていない自分」の方に目が行きやすくなります。

そのギャップに失望してしまい、さらに自尊感情を削っていくという負のループに入っています。

川口

もしあなたに自己肯定感が低い自覚があるなら、その「憧れ」を捨てるところから始めましょう。

「いまのわたしはこんばもんだ」という現在地を正確に把握すること。

その状態を否定することなく、ただ受け入れること。

全てはそこから始まります。

「ま、いっか」の回数が自分を好きになるための鍵

  • 何をやってもうまくいかない自分
  • 自分を好きになれない自分
  • なんでもネガティヴに考えてしまう自分
  • 人の好意を素直に受け取れない自分

そんな自分を「ま、いっか」と認められた時、始めて自分を好きになる準備が整います。

この「ま、いっか」の回数で、人はだんだん自分を好きになっていくのです。

理想の実現のためには自己肯定感が必要です

別に自分の人生を分をわきまえて諦めろ、といってるわけではありません。

夢を持ち、目標を持つことは素晴らしいことです。

しかし、それを実現するためにはどっちにしろ高い自己肯定感が必要です。

川口

自己肯定感の低いまま高い目標を掲げても、99.9%挫折してしまうんですよね。

自己肯定感を得た人から、自分への自信を獲得していく

自信を獲得するための8ステップ

整理しましょう。

自信がない人が自信を獲得するためには以下のような順番で進めていきましょう。

▼自信を獲得するためのステップ
  • ダメダメな自分を良しとする
  • 自己肯定感を持てるようになる
  • 自分をだんだん好きになってくる
  • 自分のいいところに気づけるようになる
  • 自己評価が高くなり、色々挑戦できるようになる
  • 自己評価が高まれば、失敗しても再チャレンジできる
  • 1~6を繰り返すうち、どこかで成功する
  • 成功すれば他者評価が高まり、それが自己評価を押し上げる
  • 以下、無限ループ

間違った「自分を好きになろう」アドバイスが横行する理由

「自信を持つために、自分を好きになろう」というアドバイスが、どれだけの過程をぶっ飛ばしているかがよくわかりますよね。

では、どうしてこのようなアドバイスをする人が多いのでしょう?

それは

  • もともと自己肯定感が高かった人が
  • 自分が自信をつけるためにやったこととして
  • 自信と自己肯定感をごっちゃにしたまま
  • 自分を好きになろう

とアドバイスしてしまうからです。

川口

自己肯定感が低いところからスタートしている人の気持ちがわかってないんですよね…

最初は誰でもゼロからのスタート

僕も最初は、「ダメダメな自分を良しとする」ことすらできず、自己評価を他者評価に依存しているところからスタートでした。

自己肯定感が地面にめり込むほど低かったときもあります。

そこから、少しずつ「ま、いっか」を重ねていって、今の天高くそびえる自己評価を手に入れました。

そんなひとでも、一番初めはあなたと同じ位置にいたのです、

だからあなたにも、自信を持てる時がきます。

それでも自信が持てなかったら、どうするかって?

川口

そういうときこそ、「ま、いっか」と認めてあげてください。

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