川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ
恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演。
マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通。Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ)
川口さん、こんにちは。時雨です。
いつも有益なお話をありがとうございます。
おかげで刷り込まれた恋愛の呪縛(連絡頻度など)から徐々に抜け出すことができているように思えます。
今回は愛に関して詳しく知りたい点がありましたので、マシュマロを送らせていただきました。
それは
です。
私には付き合って1年程の彼氏がいます。彼のことは大好きで会ったときには好意を伝えています。
男性としてはもちろんですが、人としても好きで、尊敬していますし一緒にいると安心します。
最近になって彼を愛したいと思うようになりました。
それは彼を幸せにしたい、もっと一緒にいたいと思ったからです。
さらに彼からの愛に気が付いたことで、それを何倍にもして返したいと思ったからです。
愛に気が付いたというのは、先日彼と会った帰り際のことです。
それは駅の改札前で別れ、私が改札の中に入って少しして振り返ったら、見える位置まで移動して見送ってくれたことです。
彼は好意を言葉にしないため、嫌いじゃないから一緒にいてくれてるのだと私は勘違いしていました。
しかし、このときの行動で、彼の気持ちに気が付かなかったのは、彼の愛情表現が足りないのではなく、私が上手に受け取れていないからなのではないかと考えるようになりました。
この「彼の愛情表現が足りないのではなく」という箇所からもわかるかもしれませんが、私は好意を伝えてほしいと思ってしまっています。その思いは愛したいと思った今でも消えません。
しかし、本当は見返りを求めずに愛を与えたいです。
この見返りと愛が矛盾していることは記事で拝見いたしました。
どうすれば抜け出すことができるでしょうか。
また、自分のことを愛せているかはわかりませんが、基本的には「このままの自分でも良いのだ」と受け入れることができていると思っています。
愛したいと思ったことは初めてなため、おかしな点もあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
川口
そこまで自覚できてるなら、ほとんど問題ないと思いますけどね。
川口
ただ、恋愛相談に乗っていると「愛を受け取るのが苦手な女性」って本当に多いんだなぁ、とつくづく感じますね。
愛情を上手に受け取れるようになるには、幸せを他人と比較しないことが第一歩です。
そしてパートナーが投げる愛情をしっかり捕まえられる「愛の名キャッチャー」になるになる必要があります。
このページの目次
一般的に、女性は男性に「愛を捧げること」をそこまで苦に感じません。
それは母性本能や、誰かと繋がっていたいという生物としての生理的な欲求からくるものです。
ところがその献身は時に「報われない一方的な愛情」を生み出してしまい、見返りのない愛情に疲れ切ってしまうこともしばしば起こります。
この「一方的な愛情」が生まれる原因は、もちろん男性側にもあるのですが、女性側にもあります。
それが「愛情を受け取るのが苦手」というものです。
特に親や家族に愛されずに育ってきた人たちは、
自分が愛されるに相応しい人間である
という感覚(自己肯定感)をデフォルトで持っていないことが多いです。
愛情を注がれたことがないので、何をもって愛されていると認識するのか?がわからないんですね。
ですから、パートナーからせっかく愛情が注がれているのに、それを
してしまうのです。
このように、愛されることが苦手な女性は、自分で他人からの愛を避けておきながら、一方で「言葉やモノ」などの目に見える指標で愛情を測ろうとします。
「好きだ」という言葉を欲しがったり、「プレゼントの良し悪し」で愛情を判断したりするわけです。
「言葉やモノ」に頼ってしまうと、自分の中で
大丈夫、私は、愛されている
という「絶対的な基準」を作れなくなります。
すると今度は、他人との比較が始まります。
「言葉やモノ」は目に見えるので、他人との比較には格好の材料になります。
こうやって、「目に見えない愛情」には目を向けず、「目に見えるコト」ばかりに気がとられてしまうのです。
そうした「誰かと比較した自分」ではなく、「今、この瞬間の自分」を100%認められるようになることが、愛情を受け取るための第一歩となります。
逆に誰かと何か比較している限り、愛を受け取ることができません。
川口
この点、時雨さんは
と思えているので、そんなに心配しなくても大丈夫です。
キャッチャーとして本当に大事なものは、球だけでなく、ピッチャーの心まで受け止められる懐の深さ。
ー城島健司(プロ野球選手)
名投手の活躍の裏には、必ず名捕手がいます。
ピッチャーは「キャッチャーがしっかり捕ってくれる」という安心があるから、思いっきり投げ抜けるわけですね。
投げる側と受ける側、その両方の呼吸が合ってこその名バッテリーです。
愛情も投げる側と受け取る側がいて初めて成立します。
川口
もしあなたが、彼の愛情を感じられないと考えているなら、彼は安心してあなたに愛情を投げられないと感じているのかもしれません。
良いキャッチャーは、ピッチャーの表情やコントロールのブレなどから、その日の体調やメンタル・考えていることを明確に読み取ります。
同じように愛を受け取る側は、パートナーの表情やしぐや、LINEに感じるいつも違うテンションなどから、相手の状況を瞬時に理解し、適切な言葉をかけられるようにならなくてはなりません。
そのためには、普段から彼(や周囲の人間も含めて)が自分にさりげなく投げてくれている愛情に気づき、キャッチし、そのボールを返してあげる訓練をする必要があります。
川口
時雨さんが、「見える位置まで移動して見送ってくれた」彼に愛情を感じた、のは、まさにこの名捕手の意識だったというわけです。
とれるわけない球も
呆れながらも必死で追う
「とれなくてもいい」と
微笑んでほしくない
今まで逃した優しさや愚痴やいろいろ
必死で追う
キャッチボールは続いていく
いつまでも続いていく
出典:BUMP OF CHICKEN『キャッチボール』作詞:藤原基央 作曲:増川弘明
そう言った気づきを重ねていくことで、パートナーは「この人はこっちが投げる球をしっかりとキャッチしてくれる」という安心感を覚えるようになります。
その安心感があれば、向こうはきちんとあなたに愛情を投げてくれます。
こうやって投げる・返すが繰り返され、二人の間で自然と愛情が循環するようになるのです。
愛情を上手に受け取れるようになるには、
が重要です。
川口
私がどうやって上手に受け取るかを考えるよりも、相手をいかに安心させてあげるか?を考えた方が近道ですよ。
Mr.Childrenの『名もなき詩』という曲の中に「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気がつけばそこにあるもの」というフレーズがあります。
「愛する」のでもなく「愛される」のでもなく、ただ「そこにある」状態。
僕は、これが愛情の究極的な形だと考えていて、自分のパートナーシップの指針にしています。
これまで述べてきた通り、パートナーシップの初期には、愛情をしっかりと受け取り、返し、また投げてもらうという工程が必要になります。
しかし、それがアウンの呼吸で循環するようになってきたら、特に意識しなくても、ただそこに「ある」ことを感じられるようになるはずです。
「愛する必要も愛される必要もなく、それでも確かに愛を感じられる」
川口
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