【ブライダル業界涙目】すごく幸せな夫婦が「結婚式いらなくない?」と思った理由

記事更新日: 2023/03/05

ライター: 川口 美樹

この記事を書いた人

川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ

恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演

マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ

 

【注意】

この記事は、「結婚式しなくてもいいのかな?」と悩んでいる人に向けて「しなくてもいいよ」と伝えるために書いた記事です。

過去に挙式した人・これから計画している人を批判する意図はありません。

ただし、ウェディング業界には怒られるかもしれません汗

川口

結婚式って本当に必要ですか?

僕ら夫婦は、結婚式を挙げませんでした。

元々は挙式するつもりでしたが、義弟の病気をキッカケに、夫婦で話しあった結果「式をあげない」選択をしました。

なぜかと言えば、わざわざ結婚式を挙げる理由が見つからなかったからです。

 

一般的にも、挙式をしない「ナシ婚」を選択する人は増えてきています。

今ではカップルの約半分がナシ婚を選択しており、どの調査でもだいたい

  • 「お金がない(別に使いたい)」
  • 「人前が恥ずかしい・セレモニーが嫌」
  • 「挙式自体に興味がない」

が理由にあがっています。

 

僕は「恋愛のプロ」を名乗る前から、結婚式について疑問に思っていました。

4年前の僕のFacebookにはこんなことを書かれていました。

俺も兄の結婚式を見たときは感動したし、親友の結婚式に参加したときはとても幸せな気分になった。おめでとうって心から思ったし、泣いた。

でも、だよ。あの規模感、いる?300万円もかける必要ある?

一生涯の愛を誓い合う必要ある?

毎年離婚するカップルって23万組いるらしいんだけど、約2分に一組は離婚してる計算になるらしいよ。

なんかさ、盛大に祝ってるわりに、あっさり離婚しちゃってない?全体的に。

結婚式への一番の違和感は、ご祝儀が少なかったときに文句を言う新郎新婦が結構いる、ということです。

川口

「来てくれただけでありがとう」だろう、普通。

 

わざわざ時間とお金かけて"祝いに来てくれる"相手に、よく『ご祝儀が…』なんて思えるよね。

▼ご祝儀文化の謎
  • なぜお祝いの気持ちの「額」が決まっているのか?
  • なぜ3万円未満だと失礼にあたるのか?
  • 2万円は割り切れるから失礼とか謎(3万も5万も正確には偶数だろ)
  • ホスト都合であげる式なのに、なぜ招待されるゲストが怒られるのか?

これらの疑問に納得のいく回答を出してくれる人は、誰一人としていません。

 

僕は、結婚について様々なコラムを書いたり、ブライダル業界にたくさんの取材をしたりしてきましたが、いまだに「結婚式を挙げた方が絶対に良い理由」が見つけられずにいます。

そして夫婦ともに、結婚式を挙げなかったことに微塵の後悔もありません。

僕は「式を挙げろ」と強要する人たちの主張に正統性を全く感じないのです。

結婚式を挙げた方がいい理由を論破してみる

一般的に結婚式を挙げた方がいい理由として、以下の3つが挙げられます。

▼結婚式を挙げた方がいい理由
  • 自分が主役になれる場所だから
  • 関係者が一同に集まる場所だから
  • 大切な人に感謝を伝えられる場所だから

僕はこの意見に懐疑的です。

正直に言って、ブライダル業界が消費者に挙式させようとして作った「こじつけ」にしか感じません。

なぜなら、これらの理由が全て「別に結婚式じゃなくても実現できること」だからです。

自分が主役になれるチャンスだから?

川口

僕が嫌いな「結婚式を挙げるべき理由No1」がコレです

参加者をゲスト、新郎新婦をホストと呼ぶくせに、なぜその場所で自分が主役になろとしているのかよくわかりません。

本当にゲストをおもてなしするつもりがあるのであれば、主役にすべきは「ゲスト」の方です。

どうして「おもてなしする側」が主役になるのでしょうか?

旅館のおかみが「私が主役です」って思ってたらおかしくないですか?

ゲストに費用を負担させる謎の発想

僕が一番ひどいなと思ったのが、ご祝儀代で挙式費用を賄う前提で挙式させる「ゼロ婚」というサービスです、

なぜ、「おもてなしをする」対象のゲストのお金で挙式をしようとするのか、全く理解ができません。

ウェディングプランナーの中には、「ご祝儀代で〇〇万円ほど見込めるので、実質費用はいくらいくらですよ」とクロージングする人もいます。

川口

なぜ、大切な人の大切なお金を、お前らの給料のために使わなきゃならんのだ

そもそもなぜお世話になったことへの感謝を「結婚式で」伝えなければならない理由がわかりません。

大切な人に感謝を伝えられるから?

結婚式の定番コンテンツに「感謝の手紙」がありますね。

その意義については否定しませんが、わざわざ結婚式でする必要がない、というのが僕の意見です。

大切な人に感謝を述べることくらい毎日できますし、手紙なんて書こうと思えばいくらでもかけます。

「結婚式という場所だからこそ、普段言えないことを言える」という意見もあるかもしれません。

川口

でも僕は、「結婚式じゃないと言えない」ことこそ、日常的にいう必要があると思います。

感謝される側の「命」は待ってくれない

自分の大切なひとの死は突然やってきます。

「結婚式での感謝」を向こうが待ってくれる保証はどこにもありません。

僕の母も70でこの世を去りましたが、僕は事あるごとに感謝の手紙を書いていました。

もちろん亡くなった時は悲しかったですが、「結婚式で感謝の意の述べられなくて」後悔することにはなりませんでした。

だから余計に「結婚式でやる必要性」を感じないのです。

川口

本当に大切な人に感謝したいなら「今」が最善策だと僕は思います。

関係者が一同に集まれる機会だから?

  • 結婚式は、自分たちのために大勢の人が集まる場所。
  • それだけの人が一同に会すのは、結婚式以外は葬式くらいしかない。
  • お世話になった方、お世話になる方に、お互いを披露する目的で行う。

それが結婚式をやる意味だ、という意見もよく耳にします。

川口

でもそれも別に結婚式じゃなくても良くないですか?

お披露目は「式」じゃなくてもできます

僕ら夫婦の場合は、結婚する前にお互いの家族には会っているし、結婚した時にも挨拶をしに行っています。

お互いの親友にも、職場の仲間にも、紹介し合っています。

親同士の紹介も、両家顔合わせで済ませました。

「一同にまとめれば手間が省ける」といいますが、頑張って式を準備する方がよっぽど手間じゃないでしょうか?

川口

自分のパートナーを「本当に」紹介したい相手って、家族・親友・恩師くらいで、まとめるほど多くなくないですか?

「挙式をした方が離婚率が低い」は本当なのか?

結婚式のメリットで調べてると必ず出てくるのが、「挙式をした方が離婚する確率が低い」という主張です。

例えば、リクルートブライダル総研の「離婚に関する調査2016」では、以下のように報告されています。

有配偶者の方が挙式または披露宴・披露パーティを実施している割合が高い

  • 挙式を実施した割合:有配偶者 87.0%、離婚経験者 69.4%。
  • 披露宴・披露パーティを実施した割合:有配偶者 81.3%、離婚経験者 63.1%。

引用元:https://souken.zexy.net/data/divorce/divorce2016_release.pdf

この調査では、有配偶者と離婚経験者とでは、結婚式や披露宴を通じて

  • 結婚へのけじめや覚悟を感じた
  • 二人での共同作業をした
  • 互いの家族の仲が深まった

などの機会に差があり、いずれも有配偶者の方が高いことが紹介されています。

引用元:同上

確かに、結婚式や披露宴をした方が、結婚に対するコミットが高まり、離婚する確率が減っているように思えます。

しかし、元々結婚に対するコミットが高い二人が、式を通じてこれらの項目も再認識しただけの可能性もあります。

さらにこれらの項目は、よく見ると離婚者が低く解答するのが当たり前のものばかりです。

だって「それ」が低いから離婚したわけですから。

僕にはこの調査が業界のポジショントークにしか見えません。

川口

この調査だけでは「結婚式が離婚率を減らす」とは言えません。

結婚に金をかけるを離婚しやすくなる

一方でこんな調査もあります。

アメリカのエモリー大学が3,000人の異性愛者を対象に行った調査では、「結婚式や結婚指輪にかけたお金が高かったカップルほど離婚しやすい」ことがわかりました。(*1)

  • 婚約指輪に約20~40万円を費やした男性は、約5~20万円の指輪を選んだ男性に比べて1.3倍離婚しやすい
  • 結婚式に約200万円以上かけた女性は、約50~100万円程度に抑えた女性より3.5倍も離婚した数が多い

もし「結婚式が」離婚しない要因になるなら、こんな調査結果が出るはずが有りません。

調査をした研究者は、論文の最後にこんなことを言っています。

研究者

今回の研究は、これまでブライダル業界が伝えてきた、夫婦関係と結婚式の支出(壮大な演出)が関係しているというメッセージが、ほとんど根拠のないものだったと証明した

川口

これって、ブライダル業界が儲ければ儲けるほど、離婚させてしまうということになりませんかね?

(*1)『‘A Diamond is Forever’ and Other Fairy Tales: The Relationship between Wedding Expenses and Marriage Duration』

http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2501480

「式を挙げないと後で後悔する」は本当か?

「結婚式を挙げないと、後で後悔するぞ」という声もチラホラ聞きますね。

ぐるなびウェディングが、結婚式を挙げなかった186人に、「挙式をしなかったことに対して心残りがあるか?」と聞いたところ、71.5%の人が「心残りがある」と回答したそうです。

挙式をしなかったことに対する後悔としては、「親に申し訳ない」が一番多く、次に「花嫁姿を撮っておけばよかった」が多くなっています。

▼挙式に関する後悔あるある
  • 親に花嫁姿が見たかったと言われた
  • 結婚式に参加して幸せそうな新郎新婦を見た
  • 若い時の綺麗な姿を残しておけばよかった
  • 人生一度きりだからどうせならやっておきたかった
  • 結婚式の是非について子どもに教えられなかった

花嫁姿はフォトウェディングで記録しよう

最近では、フォトウェディングと言って、写真だけで済ませる人も増えてきています。

価格は10万円前後ですが、プロの撮影に衣装・ロケーションやセットの手配などを考えれば、妥当な金額と言えます。

ちなみにうちの妻はフォトウェディングすら必要なく

フェアに行って、ドレス試着して美味しいもの食べたから、なんか満足した。

 

写真も妹が撮ってくれたし、それでいいかなって思った。

と言っていました。

「結婚式はしたくないけど、ドレスは着たい」と思っている人は、一度ブライダルフェアに行ってみてはどうでしょうか?

川口

妻みたいに、見学したら満足した、という人も結構いると思います。

「親に申し訳ない」なんて感じる必要はない

子どもに「結婚をしたら挙式をしてほしい」と願う親がいるのは当然です。

しかし、子どもの人生は子どもが決定すべきであり、子どもは親の期待に応えるために生まれてくるわけではありません。

「親が希望するから」といって、すなわち挙式しなければならない、ということにはなりません。

川口

親が一番に願うのは、「子どもの幸せ」であり「子どもの挙式」ではありません。

子どもがいつまでも健康で、楽しそうに生きていることこそが、親の願いのはずです。

子どもが幸せであるなら、結婚式をしていようがいまいが、親は文句を言いません。

  • 結婚式でしか主役になれない人生を送っている子ども
  • 結婚式関係なく、人生の主役として生きている子ども

どっちの方が親孝行な子供かと聞かれたら、僕は後者だと思います。

挙げるにしても「家族限定」で十分です


出典:小さな結婚式

結婚式を挙げろ、という人は「家族(主に親)に〇〇できなくなる」ことをデメリットとして説明してきます。

であれば、お互いの家族だけを招待した「家族限定の挙式」をすればいいのです。

  • 感謝の気持ちも伝えられるし
  • 花嫁姿を見せることもできるし
  • 親族同士の交流も深められるし
  • 友達にご祝儀を強要しなくて済むし
  • 最悪家族すら呼ばないで二人でもできるし

何よりも挙式しない理由No1の「経済的な障害」を回避できます。

川口

10万円かからずに家族向けの挙式ができる「小さな結婚式」というサービスもあります。

10万円くらいだったら、夫婦二人で頑張って働けば貯められる金額です。

  • 「家族のために結婚式は挙げてあげたいけど、お金が理由であげられない」
  • 「子どもの出産があり、タイミングを逃した」

という人にとってはもってこいの選択肢ですね。

仮に挙式せずに後悔しそうになったら、こういう格安の挙式をすれば問題ありません。

無駄に高いだけの披露宴は要らない

ブライダル業界は、無題に高いお金をかけすぎです。

僕が初めてウエディングプランナーにオプションの話を聞いた時、

  • 写真撮影だけに20万円
  • そのスライドショーに10万円
  • 高砂に飾る花だけで5万円
  • ドレスの持ち込み料に10万円

にかかると言われて、目ん玉が飛び出るかと思いました。

しかもそのスライドショーのクオリティーが低いこと低いこと。

川口

こんなの、その辺の動画編集アプリに写真ぶち込めば、自動で作ってくれるレベルやんけ…

消費者は業界側の言いわけを真に受けすぎない方がいいと思います。

本当にそのお金をかける必要があるの?

ブライダル業界に頼まなくても、家族に感謝することはできます。

6,000円位の会費があれば、それなりの場所で、それなりに美味しい料理を振る舞いながら、十分にお披露目をすることも可能です。

3万円のご祝儀を「回収」する必要はありません。

チャペルで永遠の愛を誓わなくても相手の人生にはコミットできます。

川口

業界が提案する「プラン」は、本当に結婚式や披露宴じゃないと実現できないことなのか?

もう一度、冷静に考えてみる必要があると僕は考えます。

結婚に「ゴールイン」するのをやめませんか?

どうしてブライダル業界にはこんなにも非合理的な理屈がまかり通っているのか、僕は不思議でなりませんでした。

しかし最近その元凶が、「結婚=ゴール」「結婚して一人前」という価値観にある、ということがわかってきました。

今でも結婚すると「彼とゴールインしたのね」「ようやく一人前になったな」と言われることがありますが、結婚はゴールではなくスタートです。

この認識の違いが、ブライダル業界の闇を生み出しています。

▼ブライダル業界に闇が生まれた背景
  • 結婚はゴールだという風潮があるから
  • ゴールを華々しく祝福する必要があり
  • 無駄に高いオプションが生まれ
  • その費用を回収すべく「謎のご祝儀理論」が発達し
  • 金の問題で人間関係に軋轢が生まれる

業界も消費者も、この「結婚=ゴール=華々しく祝わなくてはいけないもの」という、よくわからないロジックをもう一度ゼロから問いただす必要があると考えます。

そういう意味で、僕は

川口

結婚式って本当に必要なのか?

をあなたに考えてもらいたいたいのです。

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