【大反省会】恋愛相談してたら、悪者にする人を完全に間違えた話

記事更新日: 2023/12/15

ライター: 川口 美樹

この記事を書いた人

川口 美樹LoveBook編集長/婚活の鬼コーチ

恋愛・結婚・パートナーシップの専門家として書籍の出版やTVに出演

マッチングアプリや結婚相談所業界の裏側にも精通Twitterのフォロワーは1.5万人。(プロフィールページ

今回の記事は、懺悔のために書いています。

相談が二回に渡ったのですが、1回目の相談から想像できる状況と、2回目の追記から判断できる状況に180度違いがあり、

1回目の回答が、全く的外れで役に立っていなかったということが起こりました。

川口

とても、お恥ずかしい話です。

こんなことがあるのか、と深く学ばされました。

みなさんも、そのタイムラインを感じていただきたいので、まずは1通目の相談と回答からお楽しみください。

 

▼【1通目の相談内容】彼が親の病気をきっかけにおかしくなった

書籍を何度も読み返しここまできましたが、書籍を読んで尚整理のつかない壁にぶちあたり、相談させていただきます。

私は31歳女性、彼は30歳、共に会社員。

付き合って9ヶ月、明言はないものの結婚するつもりで同棲して3ヶ月です。

彼は繊細、かなり格好つけたがりで、愛着タイプは安定型、のめり込んでいる趣味があります。

私は不安型、無趣味なタイプです。

 

最近、彼の母が施設に入る程重い鬱になった際、もらい鬱となった為3ヶ月休職し、最近復帰しました。

同棲は楽しく、2人仲良く過ごしていましたが、11月の3連休に彼が実家に呼び出されてから、彼の様子が一変しました。

 

私とほぼ口を聞かず、話しかけても無視もしくは一言返すだけ、とツンケンするように。

これまで仕事は完全リモートでしたが、急に毎日出社するようになりました。

 

彼の変化が気になって彼に無理に聞くと、

  • 連休中に一人暮らしの父が軽度の認知症になった事がわかった
  • 変質した両親に非常に強いショックを受けている
  • 本来は同棲を解消し介護の為実家に戻るべき

との事でした。

 

私は『離れるなんて嫌だ、この生活を続ける方法を考えたい』と本音をぶつけましたが、数日後、本来は親の為に家に戻ってと言ってあげればよかったと思い直し、伝えました。

ただ仮に私が一人暮らしに戻るにしても『費用的にすぐは無理』と、結論は先延ばしに。

 

家での態度の理由を聞いたら、

  • 「本来実家にいるべきなのに、この家にいる罪悪感」
  • 「もうすぐクリスマス、誕生日とイベントがあるが、気持ち的に私に何もしてあげられない」
  • 「私の人生を無駄遣いしている」

を理由に挙げられました。

彼の問題に私は寄り添いたいと伝えても、俺の家族のことで申し訳ないから、気にせず私の生活を続けてくれと拒否されます。

 

一方で、彼は毎週末必ず、趣味友(男)の家に宿泊し、実家に介護で通い詰めてる様子はなく、これまで通り趣味に大金を使っています。

私には彼が、家族の病気、そしておそらく31歳女性の私からプレッシャーを感じ、趣味と仕事に逃げているように見えます。

私は、彼が本当に介護で実家に戻れば再び鬱になる可能性は高いと思い、彼の為にも今の生活は続けた方が良いと思ってますが、この考えは客観的に見て間違ってますか?

 

彼にプレッシャーを与えず、彼を支えながら穏やかに暮らしていきたいのですが、先が見えず中々方法を考えられません。

観点をもらえると嬉しいです。

川口

相談を拝読していて、「私は○○したいのにうまくいかない」という意識が強く、彼がどうしたいのか?にGiveしていそうな気配を感じませんでした。

川口

相手のためと思っていることが実は全くそうなってない(=無意識"For Me")ことは、割とよくあるので要注意です。

「無意識"For Me"」が発動しているところ

相手目線の欠落した本音トーク

もっとも顕著なのは、「離れるなんて嫌だ」のところ。

私は『離れるなんて嫌だ、この生活を続ける方法を考えたい』と本音をぶつけました

ご自身も反省されてる通り、本音をぶつけるのはイマじゃなかった。ここは明確な反省ポイントです。

川口

では何を反省すべきか?それは「相手目線の欠落」です。

母が鬱、自分も鬱、父が認知症という3コンボを、仮に自分が経験したとしたら?の視点が欠けてましたね。

自分がされたいことと、他人がされたいことは一致しない

さらに、「私は彼の問題に寄り添いたい」というところ。

彼の問題に私は寄り添いたいと伝えても、俺の家族のことで申し訳ないから、気にせず私の生活を続けてくれと拒否されます。

これも彼の意思がない完全なる"For Me"な発想です。

でもあなたはきっと、"For You"のつもりだったはず。

自分がそうされたらきっと嬉しいから。

川口

でも、あなたがされたいことと他人がして欲しいことは、必ずしも…どころか、ほとんど一致しないんですね。

【無意識ForMe】を予防するための考え方

これが【無意識ForMe】の怖いところです。

自分が相手の為を思うフリをしてエゴを押し付けているだけの状態に、人はなかなか気付けないものです。

KDDIを創業し、JALを再建させた経営者の稲盛和夫さんは、意思決定の際に必ず「動機善なりや、私心なかりしか」と問うそうです。

通信事業に参入する際、稲盛は毎晩、「通信事業を始めようとする動機は善なのか、そこに私心はないのか」と自分自身に厳しく問い続け、この事業に参入する決心をしました。

このように、世のため人のために尽くそうという純粋な気持ちで第二電電を創業し、その考え方に共鳴した社員が誰にも負けないほど一生懸命努力したからこそ、第二電電は成長を続け、今日のKDDIの姿があるのです。

引用元:「動機善なりや、私心なかりしか

川口

自分のしようとすることに、「動機善なりや、私心なかりしか?」とチェックする癖をつけましょう。

自分に相手を愛する覚悟があるのかを問う

極め付けは「趣味や仕事に逃げている」のところ。

それだけのハイストレスが重なれば、誰だって現実から逃げたくなりますよ。

彼を支えたいたいという割には、「金銭的に一人暮らしは無理」と言っちゃうんだなと正直思いました。

「金はなんとかするから、親のとこ行きなよ」とは言えませんでしたでしょうか?

相手のためといいながら、実は自分のためではないだろうか?

彼がプレッシャーを感じているのではなく、あなた(の好意)がプレッシャーになっているのだとしたら?

こういう時こそカップルは話し合うべきだ、という理想を押し付けていたとしたら?

あなたは、本当の意味で「彼のためになる」提案をし、彼の心の拠り所になることができていたでしょうか?

理想の自分ならその意思決定をするだろうか?

そんなことしたら彼が鬱になってしまう。その意見は分かります。

でも、彼はそれを承知で実家にいるべきだと考えているのです。

そこを「それは違う」とねじ伏せるのが、あなたのなりたいパートナー像でしょうか?

彼に鬱になられるのが面倒なだけ、という「私心」はありませんでしたか?

"For You"は我慢することではなく、覚悟すること

こういうことを書くと、「じゃあ自分の意思は押し殺して相手の言う通りにしろって言うの?」という反論を頂くのですが、そういうことではありません。

課題を分離した上で、相手が何を選択しどんな結果になったとしても、それを受け入れる覚悟を持つ、ということが人を愛するということです。

その覚悟があって初めて、あなたの望む「穏やかな暮らし」ができるのですよ。

川口

結婚するつもりでいるのですよね?

何のリスクも取らず、穏やかな暮らしを手に入れるのは不可能です。

あなたは今回、彼のためにどんなリスクを背負いましたか?

2人の安穏のためにどんな覚悟を決めましたか?

【事態が急変】そういうことは早く言って!?

さて、問題はここからです。

二通目の相談がきた時、僕はひっくり返ってしまいました。

▼【二通目の相談内容】

鬱鬱認知症の3コンボの者です。厳しいご指摘、ありがとうございました。

課題の分離ができてない事についてのご指摘、彼のして欲しいことに応えることができてないこと、胸を突かれた思いがしました。

自分だったらこう思う、という想像の方法は仮説の域を出ず誤った推論を導いてしまいますね…彼に改めてどうしたいか?それを叶える為には何が必要か?を、(今すぐ聞くとそれこそプレッシャーかもなので)聞いてみます。

 

何のリスクをとりましたか?とご質問いただいたので、自分なりにとったと考えるリスクですが、文字数関係で省いていた内容として、私は彼の母の医療費に対するサポートとして、二人暮らしの家賃および生活費を3ヶ月程肩代わりし払っています。

その他にも、一人暮らしするお金がない件について、2人暮らしを始めるにあたり100万程、初期費用と家電家具費用、趣味に使ったカードの支払い費用×数ヶ月分を彼に貸しています。

この冬のボーナスで返すと言われていましたが、ご両親のことがあった後、ボーナスは趣味に使いたいので金は返せないと言われ了承しました。(その趣味が気晴らしになればと…)

 

といった諸々の経緯があり、話し合い時に、一人暮らしに必要な金銭を溜めるにあたりすぐは無理、数ヶ月は必要と伝えたというのが経緯ですが、この金銭面でのサポートはリスクをとったということにはならないでしょうか…?

 

課題の分離についても、質問があります。

彼の問題は誰のサポートも受けず1人で解決するのは難しそうですが、彼が1人で解決したいと考える限りは「私の課題ではない」と切り分け、見守るべきでしょうか?

また、私は川口さんの仰る通り、課題の分離がうまくできていません。この場合、彼の課題はすぐわかるのですが、川口さんの言葉を思い浮かべると、私の課題を考えた時、無意識の私心があるのではと疑い深くなり、すっきりと切り分けられません。

 

最後にアドバイスいただけませんか。どうぞよろしくお願いします。

川口

そういうことは早く言って!!

この文章を読み、僕は

  • 「共依存」の可能性があるので、お付き合いをやめた方がいい
  • 貸したお金の問題があるので、弁護士を頼って借用書にサインをさせた上で別れよう

という結論に変えました。

【回答し直した】彼氏のモラハラ気質・相談者の共依存

病気の話とお金の話は全く関係ない話

あなたが彼に貸しているお金には

  • 家賃および生活費3ヶ月分
  • 2人暮らしの初期費用と家電家具費用
  • 趣味に使ったカードの支払い費用×数ヶ月分

総額で言うと150万〜200万円くらいでしょうか?

川口

借金を作っておいて「趣味に使うからボーナスからは返せない」という男、500億%クズです。

ご両親のご病気と、お金の問題は、全くの別問題です!!

(趣味が気晴らしになればと…)なんて思っている場合ではありません。

「あ、そう。返す気がないのね。じゃぁ弁護士立てるね」くらい言わないとダメです。絶対に譲歩してはいけません。

川口

彼には明らかなモラハラ気質があります。

「共依存」の可能性

そしてそのモラハラ彼氏を健気に支えてしまうあなたにも問題があります。

「この人は私が支えてあげないとダメになる…」なんて思ってるなら大きな勘違いです。

川口

これは、モラハラのよく使う幻術ですね。

 

本当に多くの人がこの催眠にかかっています。

あなたが支えようが支えまいが、もうとっくにダメになってるんです。

どうか目を覚ましてください。

一人暮らしに必要な金銭を溜めるにあたりすぐは無理、数ヶ月は必要と伝えた

数ヶ月かけるつもりでいちゃダメです。

そのお金はあなたの大事なお金。彼氏に使わないでください。

リスクテイクどころか、破滅してしまいます。

川口

これ以上の金銭的なサポートは一切禁止でお願いします!

遠慮なく見捨てよう

課題の分離についてですが、これからの関係について説明します。

  • 彼とどのように別れるのかを決めるのがあなたの課題。
  • あなたが別れることによって、彼が困ることは彼の課題。

きっと「俺を見捨てるのか」って言ってきますが、その時は遠慮なく見捨ててください。

あなたの責任ではありません。

「彼がモラハラなんて」と信じられないようでしたら、ぜひ『モラルハラスメントの全て』をお読みください。

勘違いしてすいませんでした

最後に、あなたのあり方を疑ってしまったこと、偉そうに説教たれてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。

どうか、もうこれ以上苦しまないでください。

どうか、愛情を「依存されること」で感じないでください。

あなたはもっと幸せな恋愛ができるし、それに相応しい相手が絶対にいます。

まとめ

今回の相談を通じて、まだまだ自分の想像力が足りないことを自覚させられました。

川口

まだまだ修行が足りないですね…

もし、これを読んだあなたが僕に相談を送って、「いや違うんだ、こう言う事情があるんだ」とおもったときは、全く違う回答になる可能性がありますので、今回の相談者さんのように補足情報をいただけると幸いです。

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